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社内LANとは?ネットワーク構築のための基礎知識を分かりやすく解説

今やオフィスには必須の社内LAN。
なんとなくは理解している方も多いとは思いますが、詳しい仕組みはよく分からないという方もいるのではないでしょうか。
社内LANについての基礎知識を分かりやすく解説します。

社内LANとは?ネットワーク構築のための基礎知識を分かりやすく解説

社内LANは同じビル内など狭い範囲で使うネットワーク

LANとはLocal Area Network(ローカル・エリア・ネットワーク)の略で、一つのビル内などの狭い範囲内に構築した、インターネットへ接続するためのネットワークを指します。
社内LANは一つの会社で使える、LANで構成されたネットワーク。
同じビルに複数の会社が入っている場合は、会社ごとに社内LANを構築します。
また、社内LANには有線LANと無線LANの2種類があります。

有線LANのメリットとデメリット

有線LANはネットワーク機器とパソコンをLANケーブルで直接繋いでネットワークを使う方式です。

有線LANのメリット 有線LANのデメリット
・回線が安定していて接続しやすい

・大容量のデータの送受信がスムーズに行える

・セキュリティの安全性が高い

・スマートフォンやタブレットでは使えない

・LANケーブルの設置工事が必要

LANケーブルを使うため、セキュリティ面の安全性が高く回線が安定する一方、LANケーブルに接続できないスマートフォンやタブレットでは使うことができません。

有線LANの規格

有線LANのLANケーブルの規格には「イーサネット」が広く用いられています。
他にも規格はあるのですが、現在はイーサネットが使われることがほとんどのため、「有線LAN=イーサネット」と言っても差し支えないでしょう。

また、イーサネットには通信速度により3つの種類があります。

規格 最大通信速度
イーサネット 10Mbps(メガ・ビーピーエス)
ファスト・イーサネット 100Mbps
ギガビット・イーサネット 1Gbps(ギガ・ビーピーエス)

「bps」とはイーサネットの通信速度の単位で、1秒間で転送可能なビット数とデータ量を表しています。
この数値が大きいほど、大量のデータを素早く転送することが可能です。
1GB=1000MBなので、ギガビット・イーサネットはファスト・イーサネットの10倍の速度ということになります。
オフィスではファスト・イーサネットかギガビット・イーサネットが主に使われています。

無線LANのメリットとデメリット

無線LANはルーターを介して通信を電波に変え、ケーブルを使わなくてもネットワークに接続できる方式です。

無線LANのメリット 無線LANのデメリット
・電波の届く範囲で、どこでも使える

・ケーブル工事が不要

・スマートフォンやタブレットでも使える

・回線に接続しにくくなることがある

・セキュリティ面で有線に劣る

無線LANはLANケーブルが不要なため、使う場所を選ばないことと、スマートフォンやタブレットでも利用できるメリットがあります。
その反面、外部からの侵入には有線LANよりも弱く、セキュリティ面では劣ってしまいます。

有線LANの規格

無線LANには6つの規格があります。

規格 最大通信速度 周波数帯
IEEE802.11b 11Mbps 2.4GHz帯
IEEE802.11g 54Mbps 2.4GHz帯
IEEE802.11a 54Mbps 5GHz帯
IEEE802.11n(Wi-Fi4) 300Mbps 2.4G帯/5GHz帯
IEEE802.11ac(Wi-Fi5) 6.9Gbps 5GHz帯
IEEE802.11ax(Wi-Fi6) 9.6Gbps 2.4GHz/5GHz帯

IEEE802.11n(Wi-Fi4)以降の規格には「Wi-Fi」と呼ぶことが定められています。
有線LAN同様、無線LANも通信速度の数値が大きくなるほど通信速度が速くなり、快適なネット環境となります。

また、電波という特性上、周波数帯というものがあります。

周波数帯 メリット デメリット
2.4GHz 障害物に強く、壁があっても電波が届く 電子レンジや無線キーボード、マウス、Bluetoothなどと電波干渉しやすい
5GHz 同一の周波数帯を使用する機器がないため、電波干渉が少ない 障害物に弱く、壁などで電波が遮られることがある

2.4GHzは壁などの障害物があっても電波が届きますが、電波干渉を起こしやすいのが特徴。
電波干渉とは電子レンジやマウス、Bluetoothなどの無線電波を使用する機器同士で、電波がぶつかってお互いに影響を与えてしまうことです。
電波干渉が起こると、無線通信の速度が落ちたり、接続できなくなったりします。
2.4GHzという周波数帯は電子レンジ、無線マウス、Bluetoothなどで広く使われているため、電波干渉が発生しやすいです。

5GHzは同じ周波数帯を使用する機器がないため、電波干渉は少ないですが、壁などの障害物に電波が遮られやすいのが特徴。
どちらもお互いにないメリットとデメリットがあるため、無線機器を多く使用する場合にはなるべくチャンネルが重ならない工夫が必要です。

距離がある拠点間にはWANを使う

LANは限られた範囲でしか使えません。
物理的に離れた場所同士のLANを繋ぐためにはWANを使います。
WANとはWide Area Network(ワイド・エリア・ネットワーク)の略で、LAN同士を繋いで広域ネットワークを構築。
例えば、同じ会社で東京と大阪に拠点がある場合、東京と大阪のそれぞれでLANを構築し、双方をWANで繋ぐと、離れた拠点間でのやり取りが可能になります。

まとめ

社内LANには有線LANと無線LANの2種類があり、LAN同士はWANで繋ぎます。
有線LANと無線LANにはそれぞれメリットとデメリットがあり、オフィスの規模や使用する機器、セキュリティ対策にかけられるコストなどを考慮して選ぶといいでしょう。
社内LANを正しく理解すれば、適切な社内LANを構築することができます。

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