分電盤の100vと200vの切り替えで電気代は変わる？
コンセントの電圧は国によって異なりますが、日本の一般的な電圧は100vです。
一昔前までは、この電圧でも十分に電化製品に対応できました。
しかし、近年は定格電圧が200vとなっているエアコンやIHコンロなどの電化製品が登場しています。
これらの電化製品を使うには200vに切り替えなければなりませんが、そうなると電気代が気になるという方も多いかもしれません。
ここでは、電圧の違いに関すること、電気代や切り替え工事の内容などを解説していきます。
どうして日本の電圧は100vが多いのか
アメリカの標準電圧は110～120v、アジアやユーロ圏は220～240vとなっていますが、日本は100vとアジア・ユーロ圏の半分以下という低さです。
どうして日本の電圧は100vが一般的となっているのか、その理由は技術力にあります。
送電線が設置された初期段階の諸外国の送電技術は未熟だったため、十分な電力の供給が難しかったと言われています。
一方、日本では高度な技術が必要となる「電気抵抗が少ない送電」の開発に成功したことから、他国よりも低い100vという電圧を設定することができたのです。
また、今でこそ200vが必要な電化製品が発売されていますが、もともと日本では100vの電球が普及していたため、100vがスタンダードとなっているとも言われています。
100vと200vの違いについて
100vと200vの違いは、見ての通りｖ（ボルト）の単位です。
ｖ（ボルト）は電気を押し出す力の単位なので、大きければ大きいほど出力が強くなります。
単位から分かる通り、200vであれば100vの2倍もの押し出す力があるので、電気消費量の大きい家電製品を稼働させることができるのです。
また、電化製品ごとに出力の限度が決まっているので、限度以上の出力があるv（ボルト）につないでしまうと、故障したり火災が起こったりするリスクがあります。
このような間違いを防ぐために、差し込み口の形状も100vと200vで変えられています。
200vに切り替えたら電気代は高くなる？
出力が大きくなると、電気代も高くなるイメージがあるかもしれません。
しかし、200vに切り替えたからといって、それだけで電気代が高くなることはないので安心してください。
電気代というのは、基本料金と消費電力量で決まります。
たとえ100vのコンセントを200vに切り替えても、出力が大きくなるだけで商品電力が増えるわけではありません。
電気代が高くなるのは、消費量の大きい電化製品を長時間使ったり、電気単価が上がったりした時なので、電気代に関して心配しなくても大丈夫です。
切り替え工事はどんな内容なの？
200vの電化製品を使いたいのに、100vしかない場合は切り替え工事が必要になります。
工事というと大がかりに思えますし、高額な費用がかかるイメージがあるため、切り替えの踏ん切りが付かない方もいるでしょう。
ここでは、工事内容を紹介するので、不安な方はチェックしておいてください。
単相3線式を引き込んでいるかチェック
工事内容というのは、「単相3線式」が引き込んであるかどうかで変わります。
「単相3線式」は、200vを利用できる状態の配線なので、単相3線が引き込まれている建物であれば屋内配線の簡単な工事で切り替えができます。
しかし、古い建物の場合は100vの引き込みしかできていない「単相2線式」となっていることがあります。
この場合は、分電盤まで200vの引き込み線を張替えなければなりません。
また、張替えるためには申請も必要になるので、施工には時間がかかります。
チェック方法はいろいろありますが、電気メーターで確認するのがもっとも簡単です。
電気メーターの上の方を見てください。もしそこに、赤帯で単相3線もしくは赤3と表記されていれば、単相3線式ということが確認できます。
しかし、これらの表記がない場合は、単相2線式の可能性が高いので専門業者にチェックしてもらいましょう。
単相2線式だった場合の工事内容
単相2線式の工事内容は、以下の流れになります。
1.電線から200vの電源を引き込む。
2.電気メーターを200v対応に換える。
3.ブレーカーを200v対応に換える。
4.各コンセントに配線をする。
5.必要なコンセントを200v用に取り替える。
単相2線式の場合は、これだけさまざまな工事の工程があります。
しかし、1日で終わるので工事時間に関して心配する必要はありません。
ただし、繁忙期の場合は、工事を依頼しても施工するまでに日数がかかってしまうこともあるので、早めに業者に相談しておくと良いでしょう。
200vが必要になったらプロに相談しよう
日本では、優れた技術と安全性によって100vという低い電圧設定が実現されています。
しかし、電化製品の技術の進歩により、100vでは対応できない製品も増えてきているので、200vへの切り替えが必要というご家庭やオフィスも多いでしょう。
電圧の変更に関しては、専門知識を持っていないとどのような工事をするのか、いくら費用がかかるのか不安をお持ちの方もいるかもしれません。
当社では電圧の変更に関するご相談をお受けしているので、不安や疑問がある方はお気軽にご相談ください。